決められた道を進んでほしくない。バスなのに、そう思うんです。

貸切バスをご利用されるお客様は、観光できるその日を指折り数えて楽しみにされています。
そんなお客様をいかに楽しませることができ、いい思い出をつくっていただけるか、そのお手伝いをするのがバスガイドの仕事です。
ただ、そうはいっても観光案内ばかりでなく、サービスの一環としてお客様がいま欲しているものを察知していくといった気配りもバスガイドの大事な仕事だと思います。

たとえば、何気なく自分のした気配りで、お客様から「ありがとう」という言葉が返ってきたときなどはとても嬉しいものです。あとはもちろん、仕事でありながらいろいろなところに行けるので、おいしいものを食べたり綺麗な景色を見たりというのも魅力の一つですね。
慣れてくると、どこどこの地方に行くとこれがおいしいとか、あそこの温泉がいいとか、いろいろ詳しくなりますから。そういう楽しみをモチベーションにつなげていくことも大切です。

自分の若い頃はどうだったかと振り返ってみることもあるんですが、今の若い人たちともやはり違うので、その点では育成のしかたというのは難しいところもあります。いかに学校を出てきたばかりの新人を社会人として、そして一人前のバスガイドとして気持ちを向けさせていくかということですね。
新人たちにとってみれば、いままで他人にやってもらって当たり前だったことを今度は自分たちがお客様にサービスしていくわけです。そういうことを本当の意味で気付かせるのはとても難しいことです。ただ、本人たちがそれを理解し、自分でできたと納得したときの笑顔は皆とてもさわやかでかわいく、私自身、ああやっててよかったな、と思う瞬間です。
1年前の自分を振り返って本人たちが「こんなだったね」と話していたりするのを聞くと、本当に成長したなと思い、頼もしくなります。

新人は高校を出たばかりの18歳から4年制の大学を出てきた22歳まで幅広くいるのですが、彼女たちは、私たちの世代に比べてもとても勉強熱心ですね。ただ、勉強に集中しすぎて自分以外の人たちへの気配りがおろそかになってしまってはいけないので、その気付きを与えてあげることも大事です。
入社したばかりの頃は皆、探りさぐりだったりするんですが、デビューまでの間に何度かテストをするので、分かる人が教えてあげたり、といった仲間同士の励ましあいもあり、毎日お互い切磋琢磨しているのが見ていて分かります。

バスガイドというのはとても大変な仕事です。よく白鳥に例えるんですが、見た目は華やかでも水面下では一生懸命に足をばたつかせている、そんなイメージでしょうか。常に勉強していなければならないですし。見た目の華やかな印象だけで決めるのではなく、「自分は負けず嫌いで頑張れる」という人に目指してほしいと思います。ただ、頑張った分だけお客様からの「ありがとう」はとても心に沁みます。これは最高の幸せを感じる瞬間です。
それと、よく「人見知りなのでバスガイドなんて無理」という人がいるんですが、人見知りのバスガイドって実は結構多いんですよ。ただ、マイクを持って人前に出ることを続けることで必ず克服できますし、マイクを持つといつもと違う自分になれるというのが隠れた魅力でもあるみたいです。
あとは見た目以上に体力を使う仕事なので、しっかり食べ、しっかり睡眠をとること。健康管理は基本です。

マイナビ2018