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2024.03.26

#季節を愉しむ

カエデの樹液からメープルシロップをつくる

今年は2月まで雪不足でしたが、3月に入ると思い出したかのように降雪が続いています。
夜には氷点下10℃近くまで冷えますが晴れた昼時には5℃程度まで暖かくなることもしばしば。

今回は、昼夜の寒暖差が大きい今の時期しか採れない森の恵み「メープルシロップ」を採取する様子をお届けします。
(実施日2024年3月15日)
 

まずは、樹液採取のために必要なものを紹介します。
ペットボトルは樹液をためるため、ステンレスパイプとホースは幹とペットボトルをつなぐため、ドリルとダストブロアーは幹に穴をあけるために使います。
この時、ドリルビットとステンレスパイプの径を揃えるようにしましょう。


 

まずは樹液をためる容器をつくります。
ペットボトルにシリコンチューブを差し、ラップ連結部分を防水します。最後にテープやひもで連結が外れないようにとめましょう。

ドリルで穴をあけ、ブロアで木屑を払ったらステンレスパイプを差しこみます。
この時に穴を若干上向きにあけることで樹液がパイプに入りやすくなります。
また今回は直径が20-30cm程度の幹でしたので、穴の深さは3cmとしました。

その後、先ほど作成した容器をつければ樹液採取の準備は完了です。
時期が良ければ、穴を開けた瞬間から幹の中から樹液が染み出してきます。
今回設置したのは10箇所程度。
数日後に確認すると合計約5Lの樹液がたまっていました。
樹液は凍結融解が交互に起こっている時期に流出するといわれており、タイミングが良ければ数時間でも充分な量を採取することができるそうです。

また、今回はカエデの樹液を採取しましたが別荘地に多く植生している白樺(シラカンバ)からも樹液をとることができます。
シラカンバの樹液はロシアや中国大陸で健康飲料として利用されている※1とのこと。
ただ、樹種によって樹液の流出時期は異なるので注意が必要です。

※1「イタヤカエデの樹液流出とメープルシロップ」(2003,黒田慶子,北方林業Vol.55No8)
 

採取した樹液は煮詰めて凝縮させます。
樹液の糖濃度によりますが、一般的には20倍-40倍程度濃縮させるのが良いとされています。
今回は煮詰めすぎてしまい、メープルシロップよりも固形になってしまましたが、バターと混ぜてジャムとして美味しくいただきました。

この後も樹液の採取を続け、春には別荘地オーナー様を交えた試食会を開催予定です。
皆様、ぜひご参加ください。