二拠点生活の達人たち EXPERT
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#その他
達人に聞く、山の暮らし
若松さん
自分の家を持つとしたら
若松さん:若い頃は家が欲しいなんて全然思っていなかったんです。それが32歳で結婚して子供ができた途端、急に欲しくなった。そこで当時は千葉に暮らしていたので、そのエリアで探してみたら物件はあることはある。でも狭くて小さい家に何千万円も出して、ローンで一生縛られるのは嫌だなぁと。
ー確かに都心だとそうですけど、それから山へ向かったのは?
若松さん:当時はサラリーマンだったから、退職した後その家に住みたいかといえば住みたいと全く思わない。なら、別荘を買って退職した後はそっちに住もう、と考え方を変えたんです。一番住みたいのは山だと。私、山登りとかスキーが大好きでしたから。
ーそれで山の物件を探しはじめたと
若松さん:都心に比べれば土地は遥かに安いことが分かった。一区画300坪で数百万くらいでした(当時)。では建物はどうするか。なにせ若い頃はお金がなかった(笑)。そこでログハウスを自分で建てようかと思って学校にも通ったりもしたけど、働きながらだと時間的にも難しい。どうしようかと思っていたら、当時はまだ木の電柱があって、払い下げた電柱でログハウスを作っている会社が埼玉にあったんです。で、そこに頼むことにしたんですよ。
ー木の電柱でログハウスを建てたんですか?
若松さん:そうです。もちろん下処理はしていますが、最初に建てたこの家の中心部分は全部電柱ですよ。18坪、6m×8mしかない小屋みたいな感じでしたけど。それが800万円だったかな。当時のログハウスはだいたい1500万円位が標準の時代ですから安く済んだ方ですよ。
ーとはいっても現在はテラスもあるし、ずいぶん大きいですよね。
若松さん:本当にちょっとずつ作ったんですよ、殆ど自分で。
中央の切妻(きりづま)屋根になっている部分が最初に建てたログハウスで周囲は後から増築した部分
上の写真奥にあるテラス側から見上げた風景
作り方はプロに聞く
ーとはいっても、テラスや増築の知識や経験はあったんですか?
若松さん:全然ないです。でも当時、営業マンをしていたんですね。普段はノルマとか色々厳しく言われるんですが、私が勤めていた会社は結果さえ出していればどこで何をしていてもいいという、ゆるい会社で。それで大工さんのところとか行くわけです。商品を売るのではなく、こういうものが作りたいんだけど教えてくださいと言って。
ーそんな簡単に教えてくれるものなんですか?
若松さん:教えてくれましたよ。そのうち、君は何の仕事をしているんだと聞かれて、こうこうこういうものを作っていると話すと買ってくれたりして。それでまた人を紹介してくれたり。だから私は商品を売り込んだことはないんです。大工さんだけじゃなく、基礎工事の会社とか、屋根の会社とか、色々訪ねていましたね、当時は。
ー営業マンなのに?
若松さん:なぜか成績が良かったから会社からは何も言われなくて(笑)。あと、端材の木材をもらったりして。ちょっとでも欠けていたら売り物にならないんですよね。そういうものが倉庫に大量にあったりするので、それをもらってテラスを作ったりしたんですよ。
ーテラスだけじゃなく、作業部屋みたいなところとか、ツリーテラスとか露天風呂までありますが、あれも自分で作ったんですか?
若松さん:はい。ツリーテラスはお茶を飲むために作ったんですよ。イメージしていたら作りたくなるんですよね。あそこでお茶を飲んだら気持ちいいんじゃないかとか。実際、凄く気分がいいですよ。
手前が露天風呂でその奥がサウナになっている
お茶を飲むために作ったツリーテラス
ツリーハウスからの眺め
セカンドハウスから定住してみて
若松さん:働いていたころは毎月一回と決めて、来ては作業したり、冬はスキーに行ったりしていたんです。子供達も小さい頃は喜んでいましたし。それが中学生位になると、部活が忙しくなるし、子供が家にいると妻も来ない。それでも私は一人で来ていましたが、60歳で定年したのを機に、こっちで暮らそうと。
若松さんが多くの時間を過ごす半テラスのリビング
若松さん:やっぱり山はいいなと(笑)。働いている時はなかなか時間が取れないでしょ。だから退職したときに思う存分やろうと。60日くらいスキーをして。1級を取って、今では富士見パノラマスキー場のインストラクターもやってますよ。67歳ですけど、スキー以外にも自分で毛針を作って渓流釣りをやったり。体力の衰えはそれほど感じていないですね。
愛犬のダン
若松さん:昔から犬と暮らしてみたかったんですよ。でも子供がアレルギーで飼えなかった。だから定住するようになって、ずっと憧れていた犬との暮らしってどうなんだろうと、保護犬をもらったんです。
ー犬との暮らしはどうですか?
若松さん:とても良いです。人間と違って言葉が話せないから、何を思い、どうしたいのか、こちらが観察したり想像したりしなくちゃいけない。そうしているうちに、何をしたいのか分かるようになるし、犬も私を理解してくれる。そうやってどんどん意思疎通が出来るようになる。それが凄く心地いいんですよ。
敷地内はノーリードで自由に暮らしている
若松さん:知り合いが増えてくると、あれこれ頼まれることも増えるので、そういう仕事は手伝いますよ。だから何かと忙しいんですが、それ以外の時間は自分に使う、という感じです。
ーそんな山での暮らしはどうですが?
若松さん:生きてきた自分の人生の中で今が一番楽しい。本当にね、若い頃より遥かに良い。やりたいことがはっきりしていて、出来ることと出来ないことも分かってきて。毎晩、暖炉と屋根がある半テラスで食事をして、ダンとふたり、火を見ながらぼーっとする。それが私にとって一番最高の時間ですよ。
改築した小屋裏部屋で村営林を眺めながらくつろぐ
ギャラリー
家の目の前には村営林が広がる
窯で米を炊くという若松さん『簡単だし、この方が断然美味しい』と話す
自作のパン窯
色々なものを作るための工作部屋
作業部屋とは別にくつろぐためのテラスルームも
雑草や木を伐採して道や屋根も手作り
風呂桶をもらったから作ったという露天風呂
こちらは自家製の燻製器『これで作ったベーコンは格別なんですよ』と話す
標高1500mでは冬はマイナス15℃にもなる若松邸には立派な石ストーブも