BLOG

2022.05.25

#人々の生活と知恵

暖とってるうちにピザできちゃう窯

「林ラボ山荘」に両親が視察に来た。

その前に、うちの父と母の関係を簡潔に説明しておく。
母が「〇〇ほしいな〜〜」というと、父が精度の高いものを作ってくれる、いわばクライアントと大工のような関係。

”日曜大工好きのお父さん”と言い表すのははばかられるくらい、
「えっそんなこともできちゃうの」ってことをやってくれる。

そういう父が来てくれたので、
私がこの別荘地で作りたいと思ってるものや、設計課題の話、近々屋根工事をして薪ストーブが使えるようになる話など色々して意見をいただいた。


その「薪ストーブの話」から派生して、現在父が実家に製作しようと構想中の「暖炉の熱を利用したピザ窯」の熱い語りがはじまった。
三次燃焼を利用して暖をとってるうちにピザができちゃう、父考案の「最強のピザ窯」は熱のエネルギー効率が高くよく考えられていたので、
「その構想おもしろいしお父さん絵上手いし設計図かいて!」とお願いしたら、ウキウキでかいてくれた。

なぜこれを当ブログに載せたのか。

一つは、じっくり考え抜かれたこの設計図を我々の実家にしか活かさないのは勿体無いと思ったからだ。

別荘地には自分でこだわって料理したり、自分でゼロからものをつくる人が多い。
そういう人が別荘を所有する傾向があるのか、豊かな自然環境がそういった気持ちにさせるのかわからないが、
都市ではあまり見られないアクティビティがたくさん営まれる。
焚き火をしたり、屋外テラスでBBQしたり、燻製器でじっくり燻製ハムを作ったり。
そういう場所にはやはりピザ窯も相性がいい

寸法も材の種類も詳しくかいてあるので、
大桐浩司考案のこのピザ窯設計図を参考にしてアウトドアリビングスペースなどに作成してくれる人がいれば
大桐浩司はうれしいだろう。



二つ目は、この三次熱を利用する方法、ピザ窯じゃなくても応用できそうだからだ。
私は、この別荘地で「人間と動物が共存する暮らしと家」を大学の設計課題にて大学の友人と二人で構想中だが、
その家の設計に、三次熱利用の薪ストーブを取り入れさせていただいた。

実は、左右どちらかの図に明らかな間違いがあるのだがわかるだろうか。


[答え]
右の断面図。
イメージスケッチにある、「薪ストーブの三次熱を利用することで薪をくべる量が減る想定の薪風呂」は上手くいけば成り立ちそうだが、右の断面図は十中八九アウトである。

「三次燃焼までしているからほぼクリーンな排気だろう」と思いそのまま2階に排煙してしまってるが、室内に排気すると一酸化炭素中毒の危険性がある。

この時の私はどうかしていたが、一階の温かい熱をそのまま2階にも利用したいという気持ちは評価したい。