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2022.11.28

#高原別荘地の動物たち - ニホンジカ - 野鳥 #人々の生活と知恵 #植物とのつきあい

地下茎型まち構想 〜実施中のアンケート内容の補足〜

現在、別荘地での暮らし方や、世代差や滞在頻度の差による価値観の違いなどを明らかにするために、
蓼科高原別荘地のオーナーの方を対象にアンケート調査を実施しています。

以前、管理事務所に設置したアンケートに回答してくださった方々、
別荘地で出会った際に直接アンケートを取らせていただいた方々はご協力ありがとうございました。

しかし、別荘地へ中々いらっしゃらない方も多いため、アンケートを皆様の自宅へ郵送させていただき、
協力を依頼させていただきたく存じます。

お忙しいところ恐れ入りますが、お手元に届きましたら、ご協力よろしくお願いいたします。

滞在頻度の差や世代差によって、どのような価値観や意見の違いがあるのか、
また、今後別荘地はどう利用されていくのかの推測・分析を行うために、はじめに6つの質問があります。

別荘住民と関わりの深い、
別荘地でしばしば厄介者とされるネズミやキツツキ、シカに関する質問や、
寧ろ可愛がられて歓迎される傾向にある野鳥との関わり方に関する質問など、
計13個の質問があります。

今までのインタビューで、ネズミに悩まされている世帯がしばしばみられました。
そのうち、ネズミに対して"対策"をしている世帯はどれくらいあるのか、
また、"対策"ではなく"妥協・共存案"は受け入れられるのかについて調査するために質問しています。


ネズミへの"妥協・共存案"はいくつか考えられますが、

今までのインタビューや調査によって、
 ・個体数は分からないが、蓼科高原別荘地にフクロウは生息している。
 ・しかし、フクロウは音を立てずに獲物に忍び寄る夜の狩人なので、
  フクロウが生息していることを知らない人が多い。
 ・別荘住民のフクロウという動物への印象はかなり良い。
ということがわかっています。

フクロウは全食事量の6~7割程度ネズミを食べるため、「フクロウが住む森」という認識が広まれば対策ではなく自然の流れに任せた共存が成り立つのではないかと思い、質問させていただきました。


※ この結果次第で、フクロウを誘致するために巣箱を製作・設置するワークショップを開催できればいいなとおもっています。

蓼科の別荘地を歩いていると、庭に野鳥やリスを招くために、餌置き場巣箱を設置している家をよく見かけます。

餌置き場に関する現段階での調査の内容、それに関する考察については「動物がやってくる庭 〜その2. 別荘地の野鳥への餌やり事情〜」という記事にまとめています。

動物がやってくる庭 〜その2. 別荘地の野鳥への餌やり事情〜

今までのインタビューや調査では、
 
① 餌をやっている世帯のうち、ほとんどがヒマワリの種を設置している。
② 避暑地としての側面が大きい別荘地の特性上、別荘地にやってくる春〜秋にかけては餌を設定し、やってこなくなる冬には餌を設置しない世帯が多い。


という傾向がみられましたが、

これら二つの「餌の種類に偏りはあるか」「春〜秋と冬の餌の量の落差はあるか」という傾向が、
実際に滞在頻度や世代差によってどう変化しているのか調査するために質問しています。



また、巣箱に関する現段階での調査の内容、それに関する考察については「動物がやってくる庭 〜その4. 別荘地の巣箱かけ事情〜」という記事にまとめています。

動物がやってくる庭 〜その4. 別荘地の巣箱かけ事情〜

巣箱についても餌置き場と同様に、今までのインタビューや調査で得られた傾向が、
実際に滞在頻度や世代差によってどう変化しているのか調査するために質問しています。

蓼科高原別荘地では、
 
① 軒裏や外壁、袋窓などにキツツキに開けられた穴
② キツツキに開けられた穴を塞いだ跡
③ キツツキの穴あけ対策として設置されるCDや磁石、フクロウの置物など


の人間との攻防戦の痕跡が多く見られます。

これらの傾向が、滞在頻度や別荘の購入年によってどう変化しているのかや、
キツツキの穴あけ被害に遭いやすいエリアはあるのか、
キツツキに穴を開けられやすい住居の特徴  (外壁の仕上げについては全軒調査済) は何なのか
を調査するために質問しています。


また、⑫-1の質問は、現段階で別荘地内でみられる人間とキツツキとの攻防戦は"やられる"か"対策"かのどちらかですが、"妥協・共存案"は受け入れられるのかについて調査するためのものです。

近年、シカの生息数が増えており、蓼科高原別荘地内でもここ数年でシカによって樹皮や草花が食べられてしまうという出来事が増えています。

その被害に悩まされ、「シカを捕獲してほしい。」という声がある一方で、
「シカは先住民だから、後から入ってきた人間がとやかく言うのはおこがましい。」という意見があります。

また、その意見に対して
「そもそもシカの個体数が増えてしまったのは、オオカミを絶滅させてしまったり、
地球温暖化を招きシカの生息域を拡大させたりした人間の過失によるものだから、シカの個体数を適切に取り締まるのも人間の役目なのではないか。」
という意見や、
「家畜の肉を食べるより、自分の手を汚して野生の動物たちの命をいただく方がよっぽど健全なのではないか。」
という意見もあったり、"命をいただく"という行為には色んな意見や賛否があります。


その意見について教えたいただきたく質問しています。

また、これは"対策"に関する質問ですが、
他に「シカのための公園をつくればいいのでは」などの"妥協・共存案"があればご意見くださると幸いです。

薪や山菜、温泉など、蓼科高原内や周辺にある山の資源とどう関わっているのか調査するために質問しています。

「人と人とのしがらみや付き合いがほとんどない」ということが別荘地の良さだとも捉えられますが、
一方で、コロナ禍におけるリモート化の普及や、別荘ブーム時に購入した世代が定年を迎えたことなどによる長期滞在者の増加によって、別荘地内での人付き合いが一部ではより深まったり、求められたりする傾向があります。

また、「別荘地内だけではなく、茅野市の地元の方との関わりがあればいいのではないか。」という意見もみられました。


別荘での人付き合いに関して様々な意見がありますが、
長期滞在者の増加によって、避暑地・リゾート地としての側面だけでなく、生活の場としての側面も増えている別荘地では、人と人との関係性や求められている付き合い方が変化しているのではないかと考えています。

その、今日における別荘地での人と人との関係性や、求められている人付き合いを調査するために質問しています。

お忙しい中、アンケートの補足記事を読んでいただきありがとうございます。

「こうすればもっと別荘地が良くなるのでは」といったアイディアや、
質問等ございましたら、いつでもご連絡していただけると幸いです!

ご協力よろしくお願いいたします。